■プロフィール
プラモデルなどものづくりが好きで、製造業への就職を志望。数社に応募した中で選んだのが、地元企業のアイシンシロキ。生産技術部長や人事の方のあたたかい人柄に、なじめそうだと感じたことが最大の理由。

Q.現在の仕事について教えてください。
ドアフレーム部品の生産ラインを構築しています。新たに生産する製品の図面をもとに、量産しやすい形状や構造になっているかを、アイシンの製品設計担当者と一緒に検討。その後、量産に必要な設備や金型の仕様検討と手配を行い、現場で立ち上げ、安定的に生産できる状態にします。現在は海外担当として、北米の電気自動車向けドアフレームの生産ラインを担当。翻訳ソフトも駆使して、現地スタッフとやりとりしながら進めています。


Q.工夫している点や苦労することは?
空気抵抗を減らして、EVで言うところの「電費」のいい車両にするため、滑らかな曲面のドアにしたいというのがお客様の要求。表面を覆うガラスや鋼板だけでなく、下地となるドアフレームにも、従来より高いレベルの寸法管理が求められます。それには加工時に製品を支える機構が必要ですが、形状や精度が異なる他車種の部品製造にも使用する標準的な設備に、何をどう追加すればいいのか、アイデアを考えては試行錯誤しています。以前、トヨタ自動車の生産技術部門に3年間出向し、量産しやすい製品設計になっているかを検討をしたり、当社製のドアフレームがドアになる過程を学びました。その時、なぜその精度が要求されるのかを感覚的に理解できた経験が、今に活きています。


Q.仕事のやりがいと今後の目標は?
いくら机上で検討を重ねて仕様を決めた設備でも、実際に形にしてみると必ずと言っていいほど問題点が出てきます。予算の制約がある中、立ち上げ予定日までにすべて解決しなければならない苦労はありますが、上司と問題を共有した上で、自分である程度の裁量を持って問題解決を図れることがやりがいです。設備メーカーや生産技術の先輩方からもアイデアをもらい、パズルのように組み合わせながら、量産できる設備に仕上げていくおもしろさがあります。現在担当中の生産ラインを立ち上げる際には、北米の工場へ出向く予定。それまでに先輩方の技術を吸収し、海外で自分が旗振り役を務められるようになることが今の目標です。
