■プロフィール
物心ついた頃から自動車が好きで、特に内部の機構や、サーキットでのピット作業など調整や組み付けに興味があった。就職は自動車の中身に携われる部品メーカーを希望し、アイシングループの安定性にも惹かれてアイシンシロキへ。

Q.現在の仕事について教えてください。
ウィンドレギュレータの生産ラインの、構想から稼働までを一貫して担当します。新機種をどんな生産ラインで作るかを、既存製品向けラインの知見を活かしながら、不良の発生や流出を防ぐ機能を織り込んで構想を立て、仕様を検討して設備メーカーに設計を依頼。完成後は、要求品質を満たす製品を安定生産できるよう設備を調整します。生産開始後も、製造部門から「ここが使いにくい」といった声を集め、改良を行います。


Q.工夫している点や苦労することは?
既存製品の新規生産ラインは、従来ラインに対し、品質保証の向上、過去不具合に対する立案と対策、作業性の改善を基本とし遂行していますが、時には大幅なレベルアップを図ることもあります。その時は品質保証や保全、製造のスタッフと打ち合わせを重ね、1年以上かけて構想を形にしていきます。以前経験したプロジェクトでは、製品を支える治具がわずかに動いてカシメ不良が発生するのを避けるため、治具を安定させる機能を追加したり、強力なマグネットから製品を取り外す作業者が手を痛めないよう機構に変更を加えました。他にもグリスの塗布が確実に行われたかを、目視で確認できるようにするなど改良。自分の視点だけではアイデアに限りがありますが、過去トラブルへの対策と、作業性・安全性やメンテナンス性の向上策を盛り込むことができ、工場が安心して使用できる設備となりました。


Q.仕事のやりがいと今後の目標は?
設備に触れられる機会が多いのが仕事の魅力。思い入れのあるアイデアがうまくいったときにやりがいを感じます。例えば、4部品をまとめてカシメで止める工程では、3部品を機械が複雑な動きでまとめ上げて作業者の目の前に出し、人が残り1部品を手でセットする設備を考案しました。工場から「この設備、使いやすいよ」と言われるうれしさや、完成した設備を自分で調整してレベルアップさせていける達成感を味わっています。目標は自分で設備自体を開発して、それを使った生産ラインを構築し、安定生産するまでの「全段階」に携わること。特に、熟練が必要だと自分自身も体験して知った、ワイヤ組付け工程の自動化設備の実現が、最大の目標です。
